採用単価(1人を採用するのにかかるコスト)の相場は、中途採用で約103万円、新卒採用で約94万円です(リクルート就職みらい研究所「就職白書」)。ただしこれは平均値で、人材紹介を使えば理論年収の30〜35%、つまり年収500万円の人材なら1人175万円が成功報酬としてかかります。逆に、求人検索エンジンやリファラルを中心にすれば数十万円で済むケースもあり、採用単価は「手法の選び方」で2〜3倍変わるのが実態です。
本記事では、採用単価の定義と計算方法、新卒・中途・手法別の相場、中小企業が見落としがちな「内部コスト」、そして採用単価を下げる5つの方法を、最新データとともに解説します。
この記事でわかること
- 採用単価の定義と計算式(外部コスト・内部コストの内訳)
- 新卒・中途・採用手法別の採用単価の相場【2026年版】
- 採用単価が高くなる3つの原因
- 採用単価を下げる5つの方法と、やってはいけない下げ方
採用単価とは?計算式と内訳
採用単価とは、一定期間の採用活動にかかった費用の総額を、その期間に採用(入社)した人数で割った金額です。「採用コスト」「1人あたり採用費」「Cost per Hire」とも呼ばれます。

採用単価 =(外部コスト + 内部コスト)÷ 採用人数
外部コスト:社外に支払う費用
- 求人広告・求人サイトの掲載料
- 人材紹介会社への成功報酬(理論年収の30〜35%が相場)
- ダイレクトリクルーティング(スカウト媒体)の利用料
- 採用サイト制作費、採用管理システム(ATS)の利用料
- 合同説明会・イベントの出展費
内部コスト:社内で発生する費用
- 採用担当者・面接官の人件費(採用に使った時間×時給換算)
- 応募者対応・日程調整・書類確認にかかる工数
- リファラル採用の報奨金
- 候補者の交通費、内定者懇親会などの費用
中小企業で特に見落とされるのが内部コストです。社長が面接に月20時間、現場責任者が応募対応に月10時間使っているなら、それだけで月に10万〜20万円相当の人件費が採用に投じられています。「求人広告に払った金額」だけを採用コストと考えると、実態の半分しか見えていないことになります。採用業務の隠れ工数については採用代行(RPO)で工数はどれだけ減るかで詳しく解説しています。
採用単価の相場【2026年版】新卒・中途・手法別

新卒・中途の平均
リクルート就職みらい研究所「就職白書」の調査では、1人あたりの平均採用費は新卒採用で93.6万円、中途採用で103.3万円です。またマイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」によると、企業が中途採用に使った年間費用の平均は609.9万円(前年650.6万円)で、2021年から続いた増加がいったん落ち着いた形ですが、依然として高水準です。
採用手法別の目安
| 採用手法 | 費用の仕組み | 1人あたりの目安 |
|---|---|---|
| 人材紹介 | 成功報酬(理論年収の30〜35%) | 年収400万円で約140万円、500万円で約175万円 |
| 求人広告(総合型サイト) | 掲載課金(4週間で20万〜100万円程度) | 応募数・採用数次第。1名なら掲載料がそのまま単価に |
| 求人検索エンジン(Indeedなど) | クリック課金または無料掲載 | 数万〜数十万円。運用の巧拙で大きく変動 |
| ダイレクトリクルーティング | 媒体利用料+成功報酬の場合あり | 数十万〜100万円前後 |
| リファラル(社員紹介) | 報奨金のみ | 数万〜30万円程度 |
| 採用代行(RPO・月額型) | 月額固定(採用人数で変動なし) | 採用人数が増えるほど下がる |
各媒体の特徴は採用媒体8つを徹底比較に詳しくまとめています。
なぜ採用単価は高くなるのか?3つの原因
原因1:人材紹介に依存している
「求人を出しても応募が来ないから、紹介会社に頼む」という流れが固定化すると、採用1名ごとに年収の3分の1が出ていきます。年に3名採用すれば500万円超。マイナビの調査で人材紹介は「採用につながった手法」の2位(27.3%)と即効性は高いものの、これを主軸にし続けると採用単価は構造的に下がりません。
原因2:応募が来ない求人票のまま掲載し続けている
掲載料は応募がゼロでもかかります。求人票のタイトルや条件の見せ方を変えずに掲載期間だけ延長すると、分子(費用)だけが増えていきます。
原因3:辞退と早期離職で「採用し直し」が発生している
内定辞退や入社後の早期離職があると、同じポジションに2回コストがかかります。厚生労働省の調査では大卒の3年以内離職率は33.8%、従業員5〜29人の事業所では52.0%です。定着まで含めて考えると、実質の採用単価は平均値の1.5〜2倍になっている企業も珍しくありません。
採用単価を下げる5つの方法
方法1:媒体別・職種別に採用単価を出す
全体の平均ではなく、「どの媒体から来た人が、いくらで採れたか」を出します。多くの企業で、費用の半分を使っている媒体が採用数の2割しか生んでいない、といった偏りが見つかります。数字が見えれば、予算の付け替えだけで単価は下がります。
方法2:自社で母集団をつくる手法に予算を移す
求人検索エンジンの運用、スカウト、リファラル、自社採用サイトは、軌道に乗るほど1人あたりのコストが下がる手法です。人材紹介をゼロにする必要はありませんが、「緊急時の保険」に位置づけ直すことで総額は大きく変わります。組み合わせ方は採用媒体の使い分け完全ガイドを参考にしてください。
方法3:求人票とスカウト文を改善して応募率・返信率を上げる
同じ掲載料で応募が2倍になれば、採用単価は理論上半分です。求人票は「仕事内容の具体性」「給与レンジの明記」「一日の流れ」の3点を見直すだけで応募率が変わります。スカウトの文面改善は返信が来るスカウト文の書き方をご覧ください。
方法4:選考スピードを上げて辞退を減らす
応募から面接設定までが3日を超えると辞退率は目に見えて上がります。応募当日の返信、面接翌日の合否連絡、内定から1週間以内の条件提示——スピードは費用ゼロでできる最大のコスト削減策です。
方法5:採用実務の固定費化(採用代行の活用)
成功報酬型の費用(人材紹介)を、月額固定型(採用代行)に置き換えると、採用人数が増えるほど1人あたりのコストは下がります。たとえば月額15万円のRPOを12ヶ月使って6名採用すれば、1人あたりの外部コストは30万円。人材紹介で6名採れば1,000万円前後になる計算との差は歴然です。株式会社イノベルの助っ人人事は月額150,000円〜(税別)で面接以外の8業務を代行し、何名採用しても追加費用はかかりません。
やってはいけない採用単価の下げ方
- 給与を市場より下げる:応募が減り、採れても早期離職で採用し直しになる
- 求人票を盛る:入社後のギャップで離職が増え、口コミで次の採用が難しくなる
- 選考を雑にする:ミスマッチ採用は最も高くつく。面接の質は落とさない
よくある質問
採用単価の平均はいくらですか?
リクルート就職みらい研究所「就職白書」の調査では、1人あたりの平均採用費は中途採用で103.3万円、新卒採用で93.6万円です。人材紹介を利用した場合は理論年収の30〜35%が成功報酬となるため、年収500万円の人材で約175万円になります。
採用単価はどう計算しますか?
「外部コスト(広告費・紹介手数料・ツール費など)+内部コスト(採用担当・面接官の人件費など)」を採用人数で割ります。媒体別・職種別に算出すると改善ポイントが見えます。
中小企業の採用単価は大企業より高いですか?
1人あたりでは高くなりがちです。採用人数が少ないため固定費(掲載料・ツール費)を分散できず、知名度が低いため応募率が下がり、人材紹介に頼る比率が上がるためです。自社で母集団をつくる手法と月額型の採用代行を組み合わせることで差は縮められます。
まとめ:採用単価は「平均」ではなく「自社の内訳」で見る
採用単価の相場は中途で約103万円、新卒で約94万円ですが、手法次第で2〜3倍の差が出ます。まず自社の外部コストと内部コストを媒体別に洗い出し、人材紹介への依存度を下げ、求人票と選考スピードを改善する——この順番で取り組めば、採用の質を落とさずに単価を下げられます。
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参考資料
- リクルート就職みらい研究所「就職白書」
- マイナビキャリアリサーチLab「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」
- 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」