応募が来る求人票の条件は、「誰に向けた求人かが一目で分かる」「仕事内容が一日の流れで想像できる」「給与がレンジで明記されている」「選考の流れと期間が書いてある」の4つです。求人票は「条件の一覧表」ではなく、候補者が「自分がここで働く姿」を想像するための最初の資料です。同じ媒体・同じ掲載料でも、書き方次第で応募数は2〜3倍変わります。

本記事では、中小企業の採用担当者向けに、求人票の基本構成(7ブロック)、2024年4月の法改正で追加された必須記載事項、応募が減るNG表現、そのまま使えるテンプレートと職種別の例文を解説します。

この記事でわかること

  • 応募が来る求人票の基本構成(7つのブロック)
  • 法律で必須の記載事項と、2024年4月改正で追加された3項目
  • 応募が減るNG表現と、言い換えの例
  • コピーして使える求人票テンプレートと、営業・事務・店舗スタッフの例文

求人票の基本構成:7つのブロック

求人票の基本構成7ブロック。タイトル、仕事内容、条件、求める人、会社と人、選考、法定事項
求人票の基本構成:応募が来る7つのブロック

候補者は上から順に「自分に関係あるか」「何をするのか」「いくらもらえるか」「どんな人と働くか」「どう応募するか」を判断します。この順番で情報を並べると、読み飛ばされずに最後まで届きます。

1. タイトル:職種+対象者+特徴を一行に

「営業スタッフ募集」では誰に向けた求人か分かりません。「【未経験歓迎】法人営業/既存顧客中心・残業月10時間以内/月給25万〜」のように、職種・対象者・特徴を一行に入れます。検索エンジンや求人サイトではタイトルが最初に目に入るため、応募率に最も影響するブロックです。

2. 仕事内容:一日の流れと最初の3ヶ月

「営業業務全般」のような抽象的な表現は、候補者の不安を増やすだけです。「午前は既存顧客への訪問2〜3件、午後は提案資料の作成と社内打ち合わせ」のように一日の流れを書き、「最初の3ヶ月は先輩に同行し、4ヶ月目から担当を持ちます」と入社後の見通しを示します。

3. 条件:給与はレンジと根拠、残業は実績

給与は「月給25万〜35万円(経験・能力による)」とレンジで示し、「入社2年目の平均月給28万円」「賞与年2回・昨年実績2.5ヶ月分」のように実例を添えます。残業は「月平均12時間(2025年実績)」と実績値で書くと信頼されます。固定残業代を含む場合は、基本給と固定残業代の金額・時間数を分けて明記してください。

4. 求める人:必須と歓迎を分け、人物像は3つまで

必須条件が多いほど応募は減ります。本当に必須なもの(例:普通自動車免許)と歓迎条件(例:営業経験)を分け、人物像は「自分で調べて動ける方」「チームで成果を出すのが好きな方」など3つまでに絞ります。人物像の言語化は採用ペルソナの作り方で詳しく解説しています。

5. 会社と人:創業年・事業・チーム構成・代表の一言

知名度のない会社ほど、「どんな会社か」を数字で示します。「創業12年、取引先120社、社員15名(20代5名・30代7名・40代以上3名)」のような事実と、代表からの短いメッセージがあると、候補者は安心して応募できます。

6. 選考:フロー・回数・所要期間・連絡の目安

「書類選考→面接2回→内定、応募から内定まで約2週間、応募後3営業日以内にご連絡します」と書くだけで、応募のハードルは下がります。選考期間の目安は採用にかかる期間の目安と短縮する方法を参考にしてください。

7. 法定事項:2024年4月改正で追加された3項目に注意

職業安定法に基づく明示事項に加え、2024年4月からは「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の上限の有無と内容」の明示が必要になりました。「業務の変更の範囲:会社の定める業務」「就業場所の変更の範囲:会社の定める事業所(転居を伴う転勤なし)」のように記載します。

応募が減るNG表現と言い換え

NG表現問題点言い換え例
アットホームな職場です抽象的で、裏がありそうに読まれる「社員15名、平均年齢32歳。月1回の全社ランチがあります」
やる気のある方歓迎誰でも当てはまり、情報量ゼロ「自分で調べて提案するのが好きな方」
若手活躍中/体力に自信のある方年齢・性別制限と受け取られ、法令上も問題「20〜40代が活躍」は不可。「未経験からのスタートを歓迎」
月給20万〜50万円幅が広すぎて信頼されない「月給25万〜32万円、2年目の平均28万円」
営業業務全般仕事が想像できない「既存顧客への提案が8割、新規開拓は2割」
急募!焦りが伝わり、職場環境を疑われる「10月入社の方を1名募集」

そのまま使える求人票テンプレート

【タイトル】
【職種】/【特徴1】/【特徴2】/【給与の下限】

【仕事内容】
・主な業務:
・一日の流れ:
・最初の3ヶ月:
・使うツール:

【給与・待遇】
・月給◯万〜◯万円(2年目平均◯万円)/賞与:年◯回(昨年実績◯ヶ月)
・昇給:年◯回/評価:半期ごとの目標面談
・残業:月平均◯時間(◯年実績)/休日:年間◯日

【求める人】
・必須:
・歓迎:
・こんな方に向いています(3つまで):

【会社について】
・創業◯年/事業内容/取引先◯社/社員◯名(年代構成)
・代表より一言:

【選考】
・書類選考→面接◯回→内定(応募から内定まで約◯週間)
・応募後◯営業日以内にご連絡します

【法定事項】
・契約期間/試用期間/就業場所と変更の範囲/業務と変更の範囲/加入保険

職種別の例文

例文1:法人営業(未経験歓迎)

タイトル:【未経験歓迎】法人営業/既存顧客8割・新規2割/残業月10時間以内/月給25万円〜
仕事内容:既存のお客様(製造業・建設業の中小企業約120社)への定期訪問と、課題に合わせた提案が中心です。午前は訪問2〜3件、午後は提案資料の作成と社内共有。最初の3ヶ月は先輩に同行し、4ヶ月目から担当を20社ほど引き継ぎます。
求める人:必須:普通自動車免許。歓迎:接客・販売の経験。向いている方:人の話を聞くのが好きな方、自分で調べて動ける方。

例文2:事務スタッフ(パート可)

タイトル:【週3日〜・時短OK】事務スタッフ/請求書発行・電話対応/時給1,300円〜/駅徒歩3分
仕事内容:請求書の発行(月末月初に集中)、電話・メール対応、備品管理、簡単な入力業務。使うツールはExcel・freee・Slackで、入社後1ヶ月はマニュアルと先輩のサポート付きで覚えます。
求める人:必須:Excelの基本操作。歓迎:経理・事務の経験。向いている方:コツコツ正確に進めるのが得意な方。

例文3:店舗スタッフ(アルバイト)

タイトル:【週2日・1日4h〜】カフェのホールスタッフ/時給1,250円〜/まかない付き/髪色自由
仕事内容:注文受付、ドリンクの提供、レジ、片付け。最初の2週間は先輩とペアで動き、3週目からひとりでホールを担当します。平日昼はランチ客中心、土日は家族連れが多い落ち着いた店です。
求める人:未経験歓迎。向いている方:人と話すのが好きな方、土日どちらか出られる方。アルバイト採用の詳しい方法はアルバイト・パート採用で応募を増やす方法もご覧ください。

求人票を書いたら確認する5つのチェック

  1. タイトルだけ読んで「誰向けの求人か」分かるか
  2. 仕事内容に「一日の流れ」と「最初の3ヶ月」があるか
  3. 給与がレンジ+根拠(実績)で書かれているか
  4. 選考のフロー・期間・連絡の目安が書かれているか
  5. 年齢・性別を連想させる表現が残っていないか

求人票は一度書いて終わりではありません。媒体別の応募数・通過率を見ながら、タイトルと冒頭を月1回は見直します。数字の見方は採用KPIの設計と歩留まりの目安にまとめています。

求人票の作成・媒体運用を任せるという選択

求人票は媒体ごとに最適な書き方が違い、掲載後の改善も含めると意外に工数がかかります。株式会社イノベルの助っ人人事は、求人票の作成から100以上の媒体への掲載・運用、応募者対応までを月額150,000円〜(税別)で代行しています。「求人票を直したいが時間がない」という方は、無料相談で現状の求人票をお見せください。改善ポイントをその場でお伝えします。

よくある質問

求人票に必ず書かなければならない項目は何ですか?

職業安定法に基づき、業務内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間・休憩・休日・残業の有無、賃金、加入保険、募集者の氏名または名称、(派遣の場合)雇用形態などの明示が必要です。2024年4月以降は「業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期契約の更新上限」の明示も義務化されています。

求人票に書いてはいけないことはありますか?

年齢を制限する表現(例外事由に該当する場合を除く)、性別を限定する表現、国籍・居住地・家族構成などによる差別につながる表現、実態と異なる給与や条件は書けません。「若手活躍」「体力に自信のある方」などの間接的な年齢・性別制限も指導の対象になります。

求人票の給与はどう書けば応募が増えますか?

「月給25万〜35万円」のように上限・下限のレンジで書き、「入社2年目の平均月給」や「賞与の実績」など根拠となる実例を添えると応募率が上がります。固定残業代を含む場合は、基本給・固定残業代の金額と時間数を分けて明記する必要があります。

求人票は何文字くらいが適切ですか?

仕事内容だけで300〜500字、全体で1,000〜1,500字が目安です。短すぎると判断材料が足りず、長すぎると読まれません。「一日の流れ」「最初の3ヶ月」「チーム構成」の3点を入れると、文字数を増やさずに具体性を高められます。

まとめ:求人票は「条件表」ではなく「働く姿を想像させる資料」

応募が来る求人票の鍵は、タイトルで対象者を明確にし、仕事内容を一日の流れで描き、給与をレンジと根拠で示し、選考の流れを書くことです。法定事項(特に2024年4月改正の3項目)を押さえたうえで、NG表現を言い換えれば、同じ掲載料で応募数は確実に変わります。