結論:加重パイプラインとは、進行中の各案件の見込み金額に受注確度(%)を掛けて合計した金額です。案件金額をそのまま足した合計より、実際に入ってくる売上に近い数字になるため、売上予測(フォーキャスト)や着地見込みの土台として使います。

加重パイプラインの計算式

加重パイプライン = (案件Aの見込み金額 × 案件Aの受注確度)+(案件Bの見込み金額 × 案件Bの受注確度)+ …

対象にするのは、まだ受注も失注もしていない進行中の案件だけです。受注済みの金額は「受注確定」として別に数え、失注した案件は外します。

計算例:単純合計1,000万円が、加重では458万円になる

案件 見込み金額 ステージ 受注確度 加重後の金額
A社 300万円 口頭合意 80% 240万円
B社 500万円 提案 30% 150万円
C社 120万円 見積提出 50% 60万円
D社 80万円 初回商談 10% 8万円
合計 1,000万円 - - 458万円

単純合計の1,000万円だけを見ると、残り目標が800万円でも達成できそうに見えます。加重パイプラインで見ると458万円しかなく、あと342万円分の案件を作る必要があると分かります。B社の500万円が全体の半分を占めているように、大型案件1件に依存していないかもあわせて確認します。

受注確度の決め方

確度は担当者の感覚で決めず、案件のステージごとに固定するのが基本です。担当者によって「いけそう」の基準が違うと、同じ状態の案件でも確度がばらつき、合計値が信用できなくなるためです。

ステージ(例) 受注確度(例) 次のステージに進む条件の例
初回商談 10% 課題と予算感を確認できた
提案 30% 提案内容に合意し、見積もりを依頼された
見積提出 50% 決裁者と導入時期を確認できた
口頭合意 80% 発注の意思を確認できた
受注 100% 契約書・発注書を受領した

上の確度は出発点です。半年ほどデータがたまったら、各ステージに入った案件のうち実際に受注した割合で確度を置き換えます。たとえば「見積提出」に進んだ20件のうち8件が受注していれば、そのステージの確度は40%に直します。

加重パイプラインの使い方

1. 着地見込みを出す

受注確定額に、期内に受注予定の案件の加重パイプラインを足したものが着地見込みです。目標との差(目標GAP)がひと目で分かります。

2. 残り目標をカバーできているかを見る

加重パイプラインが残り目標を下回っていれば、今ある案件がすべて想定どおりに進んでも目標に届きません。新規の商談を増やす判断を早めに下せます。

3. 週ごとの増減を追う

加重パイプラインが先週より減った場合は、失注・期限切れ・確度の引き下げのどれが原因かを確認します。営業会議で見る数字を1つに絞るなら、この増減が最も役に立ちます。

よくある失敗

  • 受注予定日を過ぎた案件が残り続け、加重パイプラインが実態より大きく見える
  • 見込み金額が未入力の案件があり、合計から漏れる
  • 期をまたぐ案件まで含めてしまい、今期の着地見込みが膨らむ
  • 確度を毎週上げ下げして、数字の意味がなくなる

TSUNAGERUでの見え方

TSUNAGERUのダッシュボードでは、受注確定・加重パイプライン・着地見込み・目標GAPを同じ大きさで並べて表示します。加重パイプラインは残り目標に対するカバー率をゲージで示し、足りているかどうかを赤・黄・緑で判断できます。ステージごとの確度は自社の基準に合わせて変更できます。

よくある質問

加重パイプラインと単純なパイプライン合計の違いは?

単純な合計は進行中の案件金額をそのまま足した値で、加重パイプラインは各案件に受注確度を掛けてから足した値です。売上予測には加重パイプラインを使います。

受注確度は何段階に分けるのがよい?

小さな会社では、初回商談・提案・見積提出・口頭合意・受注の5段階前後が運用しやすい目安です。段階が多すぎると、担当者による判断のばらつきが大きくなります。

加重パイプラインはどのくらいの頻度で見直す?

週1回の営業会議の前に、受注予定日を過ぎた案件と金額未入力の案件を整理してから確認するのがおすすめです。

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