結論:看護師の有効求人倍率は2.38倍の売り手市場です。夜勤回数と教育体制を求人票の冒頭に書き、無料の公的窓口と紹介会社を併用し、応募から面接までを短くすると採用しやすくなります。2026年8月の統計でも、保健師・助産師・看護師の有効求人倍率は2.00倍で、職業計1.06倍の約1.9倍です。

看護師の採用市場データ【2026年】

厚生労働省の公表データを見ると、看護師は全職業の中でも人を採りにくい職種です。主な数字を表にまとめます。

項目 数値 出典・時点
看護師の有効求人倍率 2.38倍 job tag(ハローワーク求人統計、2025年度)
保健師,助産師,看護師の有効求人倍率 2.00倍 一般職業紹介状況(2026年8月、常用・パート含む)
同・新規求人倍率 3.12倍 同上
職業計の有効求人倍率 1.06倍 同上
看護師の求人賃金(月額) 26.6万円 job tag(ハローワーク求人統計、2025年度)
看護師の賃金(年収) 524.7万円 job tag(令和7年賃金構造基本統計調査)
看護師の平均年齢 42.1歳 同上
就業している看護師の数 1,363,142人(前回比3.9%増) 令和6年衛生行政報告例(2024年末)

有効求人倍率2.38倍は、仕事を探す人1人に対して約2.4件の求人がある状態です。2026年8月の新規求人倍率も3.12倍で、職業計の1.98倍を大きく上回ります。求人を出せば応募が来る職種ではない、という前提で準備します。

看護師が働く場所の内訳

就業場所 人数 割合
病院 895,944人 65.7%
診療所 194,665人 14.3%
介護保険施設等 107,984人 7.9%
訪問看護ステーション 91,022人 6.7%
その他(社会福祉施設、行政、学校など) 73,527人 5.4%

就業している看護師の約3人に2人は病院で働いています(2024年末)。診療所や介護施設、訪問看護の求人は、病院と同じ求職者を取り合うことになります。日勤のみ、夜勤なし、土日休みなど、病院とは違う働き方を打ち出せるかが分かれ目です。

看護師の採用がうまくいかない3つの理由

  1. 勤務条件が比べにくい:「夜勤あり」「シフト制」だけでは、月の夜勤回数や残業の実態が伝わりません。求職者は複数の求人を比べるため、情報が少ない求人は後回しにされます。
  2. 応募後の対応が遅い:売り手市場では、求職者が複数の職場を同時に検討します。返信が数日遅れるだけで、他の職場に決まることがあります。
  3. 教育体制やブランクへの配慮が見えない:経験した診療科が違う人や離職期間がある人は、ついていけるかを気にします。研修や指導役の有無が書かれていないと、応募をためらいます。

看護職の資格を持ちながら働いていない人もいます。厚生労働省は2015年10月から、看護職が離職したときなどにナースセンターへ届け出る制度を設けています。復職を考える人に選ばれる条件を示すことも、採用の打ち手になります。

看護師の求人票の書き方(記載例つき)

求人票は「ほかの求人と比べられる」前提で書きます。特に次の項目は、言葉ではなく数字や固有の情報で書きます。

項目 記載例(架空の病院の例) ポイント
仕事内容 内科・外科の混合病棟(40床)で入院患者の看護。電子カルテを使用。 病棟の種類と規模を書く
夜勤 2交替制。夜勤は月4回程度(16時30分〜翌9時)。夜勤手当は1回ごとに支給。 回数・時間帯・手当を書く
休日 4週8休、希望休は月3日まで申請可。 休みの取り方まで書く
給与 基本給、資格手当、夜勤手当を分けて記載。夜勤4回の場合の月収例も記載。 総額だけにしない
教育体制 指導役の先輩が3か月付く。ブランクのある方は復職研修から開始。 不安を先回りして消す
変更の範囲 就業場所:法人内の他施設。業務:看護業務全般。 2024年4月から明示が必要

2024年4月1日から、募集時に明示する事項が増えました。追加されたのは「従事すべき業務の変更の範囲」「就業の場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準(更新上限を含む)」です。ハローワークや求人サイトの求人だけでなく、自社サイトの募集要項も同じ内容にそろえます。書き方の基本は求人票の書き方で解説しています。

看護師の採用に向く媒体・チャネル

チャネル 特徴 向くケース
ハローワーク 求人の掲載は無料。地域の求職者に届く。 通勤圏内での採用、日勤パート
ナースセンター 都道府県知事が指定。無料の職業紹介、研修、相談を行う。 復職を考える人、ブランクのある人
看護師向けの求人サイト 求職者が条件で検索し、比べながら応募する。 働き方に強みがある求人
人材紹介会社 成功報酬型が一般的。候補者の推薦まで任せられる。 急ぎの欠員、経験者の採用
職員からの紹介 職場の実態を知る人からの紹介になる。 定着を重視する採用
自社の採用サイト 求人票に書ききれない職場の情報を載せられる。 比較検討する人の受け皿

人材紹介会社を使う場合は、厚生労働省の「適正な有料職業紹介事業者の認定制度」も参考になります。医療・介護・保育分野が対象で、2021年11月に初めて認定事業者が公表されました。手数料や早期離職のときの取り扱いは、契約前に書面で確認します。手数料の考え方は人材紹介の手数料相場で解説しています。

選考で見るポイントと面接の進め方

  1. 応募の当日か翌営業日に連絡し、見学と面接の候補日を3つ出す。
  2. 見学と面接を同じ日に行い、来てもらう回数を減らす。
  3. 面接では、経験した診療科、夜勤の可否と希望回数、通勤時間、入職できる日を確認する。
  4. 看護師免許は免許証で確認する。
  5. 内定後は、配属先の責任者との面談や、最初の月のシフト案を早めに伝える。
確認すること 質問の例 見るポイント
経験 これまでどの診療科で、どんな患者さんを担当しましたか。 配属先の業務との近さ
働き方の希望 夜勤は月に何回までなら続けられますか。 自院のシフトと合うか
転職の理由 今の職場で変えたいことは何ですか。 同じ不満が自院でも起きないか

面接で見るのは、経験年数の長さよりも「自院の働き方と希望が合うか」です。合わないまま採用すると、早い時期の退職につながります。条件が合わない点は面接の場で正直に伝えます。

採用代行の現場で分かっていること

中小企業の採用を支援していると、応募が来ない原因の多くは、求人票の情報量と連絡の速さにあります。例えば「夜勤あり」とだけ書いていた求人なら、月の回数・時間帯・手当まで書き直します。条件が合わない人の応募や、面接の辞退を減らしやすくなります。

よくある失敗は、院長や看護部長が忙しく、応募者への返信が週に1回のまとめ対応になっているケースです。売り手市場では、この数日の差で他の職場に決まります。応募の通知を事務担当と共有し、当日中に一次返信だけでも送る体制にすると、面接につなげやすくなります。

もう一つは、人材紹介だけに頼り、手数料が毎年の固定費のようになっているケースです。ハローワークやナースセンター、求人サイトで自力の応募経路をつくります。紹介会社は急ぎの欠員に絞ると、採用費の見通しが立てやすくなります。求人票を一度整えておけば、どの経路にも同じ内容を出せます。

よくある質問

看護師の求人票で、特に具体的に書くべき項目は何ですか?

夜勤の回数と時間帯、休日の取り方、給与の内訳、教育体制の4つです。2024年4月からは、業務と就業場所の変更の範囲などの明示も必要です。

費用をかけずに看護師を採用する方法はありますか?

ハローワークと都道府県のナースセンターは無料で利用できます。職員からの紹介や自社の採用サイトも、掲載費のかからない経路です。

ブランクのある看護師を採用するときの注意点は?

復職研修や見学の機会を用意し、最初の数か月の業務の範囲を具体的に伝えることです。不安を減らすと、応募と定着の両方につながります。

看護師の採用業務を外部に任せることはできますか?

面接以外の業務は採用代行に任せられます。助っ人人事は月額15万円(税抜)から、求人原稿の作成、媒体運用、候補者対応、日程調整などを代行します。

助っ人人事は月額15万円(税抜)から、面接以外の採用業務をすべて代行する月額定額制の採用代行サービスです。何名採用しても追加費用は0円、最短1週間で開始できます。

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