結論:ARRとは、月額や年額の契約でくり返し入る売上を、1年分に換算した金額です。MRR(月次経常収益)を12倍して求めるのが基本で、初期費用などの単発の売上は含めません。

ARRの意味

ARRは、くり返し入る売上の1年分を表す指標です。Annual Recurring Revenueの略で、「年間経常収益」と訳されます。サブスクリプションや保守契約のように、契約が続く限り毎年入る売上の規模を示します。1年後の売上の予測ではなく、「今の契約がそのまま1年続いた場合の売上」を表す点が特徴です。

ARRは会計基準で定められた用語ではなく、社内の管理指標です。決算書の売上高は、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」などに沿って計上されるため、ARRとは一致しないことがあります。月単位の指標はMRRです。

ARRの計算式

  • ARR = MRR × 12
  • 年額契約がある場合:ARR = 月額契約のMRR × 12 + 年額契約の年額の合計
  • ARRの増減 = 新規 + 拡大 − 縮小 − 解約

含めるのは、契約期間中に定期的に請求する金額です。初期費用や導入支援などの単発の売上は含めません。利用量で毎月変わる従量課金を含めるかどうかは、社内で基準を決め、毎月同じ方法で数えます。

ARRの計算例

ある会社の月末時点の契約が、次のとおりだったとします(金額は税抜)。

契約の種類 件数と単価 ARRへの算入額
月額プラン 20社・月額50,000円 50,000円×20社×12=12,000,000円
年額プラン 5社・年額600,000円 600,000円×5社=3,000,000円
初期費用 3社・1回100,000円 0円(単発のため含めない)
合計 - 15,000,000円

MRRで確かめると、月額プラン1,000,000円と年額プランの月割り250,000円で1,250,000円です。12倍すると15,000,000円となり、表のARRと一致します。翌月に月額50,000円の新規が5社増え、月額プランの1社が解約すると、ARRは2,400,000円増えて17,400,000円になります。

ARRの使い方

  1. 年間計画の土台にする:期首のARRに新規・拡大の見込みを足し、縮小・解約の見込みを引いて、年間の目標と比べます。
  2. 成長の速さを見る:前年同月のARRと比べた増加率で、事業の伸びを確認します。
  3. 増減の原因を探る:新規・拡大・縮小・解約に分けると、課題が獲得にあるのか解約にあるのかが見えます。

ARRでよくある失敗

  • 初期費用やスポットの売上を含め、翌月に数字が大きく下がる。
  • 解約の連絡を受けた契約を残すか外すかが、担当者ごとに違う。
  • 受注したが契約開始前の案件を含めてしまう。
  • 年額契約を一括で受け取った月に、12か月分をMRRとして数える。

TSUNAGERUでの見え方

TSUNAGERUでは、月額契約を契約開始月から計上し、満了日の翌日が属する月は計上しません。ダッシュボードでは受注確定・加重パイプライン・着地見込み・目標GAPを確認でき、KPIとして平均成約単価や平均契約期間も見られます。ARRを使う場合は、この計上ルールと同じ考え方でMRRを数えて12倍する、と社内で決めておくと、営業と経営の数字がずれにくくなります。

よくある質問

ARRとMRRはどう違いますか。

MRRは月単位、ARRは年単位で、くり返し入る売上を表します。月額契約が中心ならMRRを12倍したものがARRです。月ごとの変化はMRR、年間の計画や前年との比較はARRで見ると分かりやすくなります。

ARRに初期費用は含めますか。

含めません。ARRは契約が続く限り毎年入る売上を表すため、初期費用や導入支援などの単発の売上は除きます。単発の売上は別の指標として管理します。

ARRと決算書の売上高が一致しないのはなぜですか。

ARRはある時点の契約を1年分に換算した管理指標で、売上高は会計基準に沿って計上した実績だからです。期の途中で契約が増えた場合、その年の売上高はARRより小さくなります。

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