結論:LTVは、1社の顧客から取引期間全体で得られる売上(または粗利)の合計です。月額契約なら「平均月額×平均契約期間」で求め、顧客の獲得にかけてよい費用の上限を決めるのに使います。

LTVはLife Time Valueの略で、日本語では顧客生涯価値と呼ばれます。

LTVの計算式

取引の形によって、使う計算式が変わります。

取引の形 計算式
都度購入 LTV=平均購入単価×年間の購入回数×平均の取引年数
月額契約 LTV=平均月額×平均契約期間(月)
月額契約(解約率から) LTV=平均月額÷月次解約率
粗利で見る場合 上の式で出した値×粗利率

都度購入の年間の購入回数は、過去1年の実績から出します。平均契約期間がまだ出せないときは、解約率から考えます。月次解約率が2%なら、平均契約期間は1÷0.02=50か月と見なします。

LTVの計算例

例 前提 計算 LTV
月額契約 平均月額50,000円、平均契約期間24か月 50,000円×24か月 1,200,000円
月額契約(粗利) 上と同じ、粗利率60% 1,200,000円×60% 720,000円
解約率から 平均月額30,000円、月次解約率2.5% 30,000円÷0.025 1,200,000円
都度購入 平均購入単価80,000円、年4回、平均3年 80,000円×4回×3年 960,000円

LTVの使い方

  1. CACと比べる:粗利で見たLTVが、顧客1社の獲得にかけた費用(CAC)を下回ると、獲得するほど損が出ます。例えばLTVが720,000円、CACが300,000円なら、1社あたり420,000円の粗利が残る計算です。
  2. 顧客の層ごとに比べる:業種、会社の規模、獲得したチャネル別に出すと、力を入れるべき層が分かります。
  3. 解約を減らす効果を金額にする:契約期間が延びるとLTVがいくら増えるかを示せます。
  4. 営業の目標を決める:受注の件数だけでなく、単価と続く期間も目標に入れられます。

LTVを上げる方法は、単価を上げる、購入の回数を増やす、契約期間を延ばすの3つです。どれが効くかは、計算式のどの項目が弱いかで決まります。

LTVの集計でよくある失敗(営業管理の現場から)

営業管理ツールを開発するなかで、中小企業のLTVの集計でよく見かけるずれは次の4つです。

  1. 売上と粗利を混ぜる:CACと比べるときは粗利で見ます。売上で比べると、獲得の費用をかけすぎるおそれがあります。
  2. 契約中の顧客の扱いを決めていない:解約した顧客だけで出すか、契約中の顧客も含めるかで平均が変わります。どちらで出したかを書き添えます。
  3. 全社の平均だけを見る:大口の1社に平均が引っ張られます。顧客ごとの値も並べます。
  4. 月の数え方が人によって違う:開始月や終了月を含めるかで期間が変わります。ルールを1つに決めます。

見落とされやすいのは4つ目です。Excelで管理していると担当者ごとに数え方が違い、同じ顧客でも契約期間が1か月ずれることがあります。集計の前に、数え方のルールを文書にして共有しておきます。

TSUNAGERUでの見え方

TSUNAGERUでは、KPIとしてLTV、平均成約単価、平均契約期間、リードタイムを確認できます。月額契約の売上は、契約開始月から計上し、満了日の翌日が属する月は計上しないルールで集計されます。Excelで管理するときに起きがちな、月の数え方のずれを防げます。平均成約単価と平均契約期間を並べて見ると、LTVの変化が単価と期間のどちらによるものかが分かります。

よくある質問

LTVとCACの違いは何ですか?

LTVは1社の顧客から取引期間全体で得られる売上や粗利です。CACは1社の顧客を獲得するためにかかった営業やマーケティングの費用です。2つを並べると、獲得の費用が見合っているかが分かります。

LTVはどのくらいあればよいという目安はありますか?

商材や業種で大きく変わるため、一律の目安はありません。最低限、粗利で見たLTVがCACを上回っているかを確認し、自社の過去の数字と比べて推移を見ます。

顧客が少ない会社でもLTVを計算する意味はありますか?

あります。顧客が少ないと平均が1社の大口に引っ張られやすいため、平均と一緒に顧客ごとの値も並べて見ます。どの層の顧客が長く続いているかが分かります。

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