結論:薬剤師は有効求人倍率3.12倍の売り手市場です。処方科目・体制・教育を具体的に書いた求人票を、新卒と中途の時期に合わせて出すことが近道です。全職業平均の1.20倍を大きく上回り、待つだけの募集では応募が集まりにくい職種です。

薬剤師の採用市場を数字で見る

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)と公的統計から、採用に関わる数字を整理しました。

項目 数値 出典・時点
有効求人倍率(薬剤師) 3.12倍 ハローワーク求人統計(令和7年度)
有効求人倍率(全職業) 1.20倍 一般職業紹介状況(令和7年度平均)
求人賃金(月額) 36.2万円 ハローワーク求人統計(令和7年度)
賃金(年収) 566.8万円 賃金構造基本統計調査(令和7年)
平均年齢 40.1歳 賃金構造基本統計調査(令和7年)
届出薬剤師数 329,045人 医師・歯科医師・薬剤師統計(2024年12月31日現在)
第111回国家試験の合格者 8,749人(合格率68.49%) 厚生労働省(2026年3月25日発表)

有効求人倍率と求人賃金は、ハローワークに出された求人の集計です。job tagの統計は、同じ職業分類に含まれる近い職業のデータを含む場合があると注記されています。目安として使い、自社の応募状況とあわせて見てください。

薬剤師はどこで働いているか

2024年末時点で届け出た薬剤師329,045人のうち、薬局が60.0%、病院が17.5%です。

従事先 人数 構成割合
薬局 197,437人 60.0%
病院 57,595人 17.5%
医薬品関係企業 34,184人 10.4%
衛生行政機関・保健衛生施設 6,906人 2.1%
診療所 5,695人 1.7%
大学 5,011人 1.5%

前回の調査から、薬局で働く薬剤師は6,702人増えました。一方で医薬品関係企業は2,902人減っています。厚生労働省の資料では、従事先に地域偏在と業態偏在があり、特に病院薬剤師の確保が急ぐべき課題とされています。

薬剤師の応募が集まりにくい3つの理由

  1. 働き先の選択肢が多い:薬局、病院、企業など働き先が広く、応募者は条件を横に並べて選びます。仕事内容があいまいな求人は、比べる前に外されます。
  2. 新卒の採用は国家試験の日程に左右される:受験資格は原則として6年制の薬学課程の卒業者です。第111回の試験は2026年2月、合格発表は3月25日でした。内定は合格が前提になります。
  3. 地域と業態で人数が偏っている:国の資料でも地域偏在と業態偏在が指摘されています。病院や一部の地域では、同じ条件で募集しても応募が集まりにくくなります。

応募が来る薬剤師の求人票の書き方

薬剤師は、複数の求人を同じ項目で比べます。比べられる項目を、数字と具体例で埋めることが基本です。

項目 書き方の例 書くときのポイント
仕事内容 内科・小児科の門前薬局で調剤と服薬指導。1日の処方箋は約○枚 処方科目と処方箋枚数の目安を書く
体制 薬剤師○名・事務○名の体制。1人で対応する時間帯はありません 1人で対応する時間の有無は必ず書く
在宅・かかりつけ 在宅訪問は月○件。未経験の方は同行から始めます 未経験でも応募できるかを明記する
勤務時間・休日 ○時〜○時、土曜は隔週。年間休日○日 シフトの決め方も書く
給与 月給○万円〜○万円(経験により決定)、薬剤師手当を含む 内訳と昇給の条件を書く
教育 入社後1ヶ月は先輩と同じシフト。外部研修の費用は会社負担 ブランクがある人を受け入れるかも書く

「○」の部分には自社の実際の数字を入れてください。数字が書けない項目は、決め方(例:処方箋枚数で人員配置を決める)を書くだけでも比べやすくなります。求人票全体の組み立ては求人票の書き方にまとめています。

給与は公的な数字と並べて見直す

job tagでは、ハローワーク求人の求人賃金(月額)は36.2万円、賃金構造基本統計調査による年収は566.8万円です。求人賃金は求人票に書かれた額の集計で、年収は実際に支払われた賃金をもとにした計算値です。

自社の提示額がこれを下回る場合は、休日の取りやすさや残業の少なさなど、給与以外の条件を具体的に書いて補います。「アットホーム」のような言葉より、残業時間の目安や有給休暇の取得の実績を書くほうが比べやすくなります。

薬剤師の採用に向く媒体・チャネル

チャネル 向く場面 注意点
ハローワーク 地域での中途採用、パート薬剤師 掲載は無料。求人票の情報量で差がつく
求人サイト(総合型・医療職向け) 応募を広く集めたいとき 料金体系は媒体ごとに違うため公式情報で確認する
人材紹介 急ぎの欠員補充、管理薬剤師の採用 成功報酬型のため、1名あたりの費用が大きくなりやすい
大学・実務実習の受け入れ 新卒採用 実習生との接点が採用につながる。準備に時間がかかる
社員紹介(リファラル) 定着しやすい人を探すとき 紹介した社員への制度を先に決める
自社の採用ページ どのチャネルからでも見られる受け皿 体制や1日の流れを具体的に書く

人材紹介の費用の考え方は人材紹介の手数料相場、社員紹介の進め方はリファラル採用の進め方で解説しています。

薬剤師の選考で見るポイント

  1. 免許の確認:薬剤師免許は、国家試験の合格後に薬剤師名簿へ登録されて与えられます。内定前に免許証の原本を確認する流れを決めておきます。
  2. 経験した処方科目:内科、小児科、整形外科など、扱った処方の幅を具体的に聞きます。
  3. 在宅・かかりつけの経験:経験の有無だけでなく、今後取り組みたいかを確認します。
  4. 患者への説明の仕方:よく扱う薬を1つ挙げてもらい、服薬指導のつもりで説明してもらいます。
  5. 働き方の希望:残業、土日の勤務、店舗の異動の可否は、面接の前半で確認します。

新卒は内定から入社までの期間が長くなります。国家試験の前後も、職場見学や入社前研修の案内を送り、連絡が途切れないようにします。内定後の連絡の組み立ては内定辞退を防ぐ方法で解説しています。

採用代行の現場で分かっていること

中小の薬局や医療機関の求人では、仕事内容に「調剤業務全般」とだけ書かれている例がよくあります。これでは応募者が仕事の重さを判断できません。処方箋枚数の目安、薬剤師の人数、1人で対応する時間の有無を書き足すだけで、応募前の質問が具体的になります。

よくある失敗は、応募から面接日程の連絡までに数日かかることです。応募者は複数の求人を同時に比べていることがあり、連絡が遅いと他社で決まってしまいます。応募の当日か翌営業日に連絡し、候補日を複数出す運用にすると取りこぼしが減ります。

もう1つは、人材紹介だけに頼り、自社の求人票や採用ページが整っていない状態です。紹介を受けた候補者も、応募前に会社のページを見ます。体制と教育の流れを自社のページにまとめておくと、どのチャネルからの応募にも効きます。中途採用では、面接と職場見学を同じ日に組むと、候補者の移動の負担も減らせます。

よくある質問

薬剤師の採用で最初に見直すことは何ですか?

求人票の仕事内容と体制です。処方科目、処方箋枚数の目安、薬剤師の人数、1人で対応する時間の有無を書くと、応募者が比べやすくなります。

新卒の薬剤師はいつ入社が決まりますか?

受験資格は原則として6年制の薬学課程の卒業者です。第111回の国家試験は2026年2月に行われ、合格発表は3月25日でした。内定は合格を条件にし、不合格だった場合の扱いを先に決めておきます。

パートの薬剤師を採用するにはどうすればよいですか?

勤務できる曜日と時間帯を選べることを求人票に書き、地域を絞って募集します。ブランクがある人向けの研修の有無も書くと、応募の幅が広がります。

薬剤師の採用を外部に任せることはできますか?

求人票の作成、媒体の運用、応募者への連絡、日程調整は任せられます。助っ人人事は面接以外の採用業務を月額定額で代行し、全国オンラインで対応します。

助っ人人事は月額15万円(税抜)から、面接以外の採用業務をすべて代行する月額定額制の採用代行サービスです。何名採用しても追加費用は0円、最短1週間で開始できます。

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