結論:CACとは、新しい顧客を1社獲得するためにかかった営業・マーケティング費用の平均です。「期間中の顧客獲得費用÷期間中の新規顧客数」で計算し、LTVと比べて使います。CACはCustomer Acquisition Costの略で、顧客獲得単価とも呼ばれます。

CACの計算式と含める費用

CAC=期間中の顧客獲得費用÷期間中に獲得した新規顧客数

広告費だけでなく、新規の営業にかかった人件費やツール費も含めます。含める範囲を社内で決めておくと、期間ごとに比べられます。

費用の区分 例 CACに含めるか
マーケティング費用 広告費、展示会の出展費、資料作成の外注費 含める
営業の人件費 新規開拓を担当する営業の給与のうち、新規の活動にかけた分 含める
ツール・外注費 営業管理ツール、リストの購入、テレアポの外注 新規獲得に使った分を含める
既存顧客の対応費 既存顧客のフォロー、サポート 含めない

CACの計算例

以下は、ある会社の四半期(3か月)を想定した仮の数字です。

項目 金額・件数
マーケティング費用 900,000円
新規開拓の営業の人件費 1,500,000円
ツール・外注費 300,000円
顧客獲得費用の合計 2,700,000円
新規に獲得した顧客数 9社
CAC 300,000円

2,700,000円÷9社=300,000円がCACです。

CACの使い方:LTVと回収期間で判断する

CACは、顧客1社が取引期間を通じてもたらす粗利(LTV)と比べて使います。

指標 計算(仮の数字) 結果
粗利ベースのLTV 月額の粗利50,000円×平均契約期間24か月 1,200,000円
LTV÷CAC 1,200,000円÷300,000円 4倍
CACの回収期間 300,000円÷月額の粗利50,000円 6か月

LTVがCACを上回れば、獲得費用を取引の中で回収できる見込みです。回収期間が平均契約期間に近いほど、解約が少し増えただけで赤字になりやすくなります。

CACでよくある失敗

  1. 広告費だけで計算する:営業の人件費が抜けると、CACが実態より低く出ます。
  2. 既存顧客の追加受注を新規に数える:新規顧客数が増えて見え、CACが低く出ます。
  3. 費用と受注の時期がずれる:今月の広告費の成果は、営業のリードタイムの分だけ後に出ます。期間は四半期など長めに取ります。
  4. チャネルを混ぜて見る:展示会と紹介では費用のかかり方が違うため、チャネル別にも計算します。

営業管理ツール開発の現場で分かっていること

中小企業でCACを出そうとすると、最初につまずくのは新規顧客数の数え方です。受注した案件が新規か既存の追加かを、担当者ごとに違う基準で記録している会社は少なくありません。案件を登録するときに新規・既存の区分を必ず入れるルールにするだけで、集計の手間が大きく減ります。

次につまずくのは、顧客がどのチャネルから来たかが残っていないことです。展示会、紹介、問い合わせフォームなど、きっかけを案件ごとに記録しておくと、チャネル別のCACを出せます。費用対効果の低いチャネルを見つけて予算を移すには、この記録が欠かせません。

また、CACを下げることだけを目標にすると、受注しやすい小さな案件ばかり追うようになり、LTVが伸びないことがあります。CACは必ずLTVとセットで見ます。

TSUNAGERUでの見え方

TSUNAGERUのKPIでは、平均成約単価・リードタイム・LTV・平均契約期間を確認できます。CACの元になる広告費や人件費はTSUNAGERUの外で集計し、TSUNAGERUで確認したLTVと並べて比べます。案件管理(カンバン)の受注案件は、期間中の新規受注を数える元になります。

よくある質問

CACとCPAの違いは何ですか。

CPAは、問い合わせや資料請求など1件の成果を得るのにかかった費用です。CACは、実際に顧客になった1社あたりの費用で、営業の人件費なども含めて計算します。

CACはどのくらいの期間で計算しますか。

月単位では新規顧客数が少なく、数字がぶれやすくなります。四半期や半年など長めの期間で計算する方法が向いています。

CACが高いときはどうすればよいですか。

チャネル別にCACを計算し、費用対効果の低いチャネルを見直します。商談化率や受注率を上げると、同じ費用で獲得できる顧客数が増えます。

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