結論:設備管理の採用は、資格を「必須」と「入社後に取得」に分け、担当する建物・勤務形態・資格支援を求人票に具体的に書くと、応募が集まりやすくなります。シニアや異業種の経験者まで対象に入れると、候補者の幅も広がります。

設備管理の求人倍率と賃金のデータ

設備管理は、ビルや商業施設、工場などの電気・空調・給排水といった設備を、点検・運転・管理する仕事です。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では「ビル施設管理」として、次の数値が公開されています。比べやすいように、同じ出典の電気工事士の数値も並べます。

項目 ビル施設管理 参考:電気工事士
有効求人倍率(令和7年度) 1.03倍 3.84倍
求人賃金(月額、令和7年度) 25万円 28.4万円
賃金(年収) 452.3万円 628.1万円
平均年齢 47.3歳 41.6歳
月の労働時間 163時間 163時間
就業者数 157,500人 379,510人

いずれもjob tagが公的統計を加工した全国の値です。求人倍率と求人賃金は令和7年度のハローワーク求人統計、年収・年齢・労働時間は令和7年賃金構造基本統計調査、就業者数は令和2年国勢調査によります。参考までに、2026年9月の全職業の有効求人倍率は1.08倍でした(パート含む常用)。

倍率だけを見ると、電気工事士ほど人の取り合いは激しくありません。ただし平均年齢は47.3歳と高めで、若手や有資格者に絞ると候補者は限られます。工場の生産設備の保全を任せたい場合は、別の職業の数字も見ます。機械の点検・修理に近い「機械整備・修理従事者」の有効求人倍率は、3.90倍です(2026年9月、パート含む常用)。経験者の採用は、ビルの設備管理より難しくなります。

設備管理の仕事と求められる資格

job tagによると、ビル施設管理の仕事は、照明などの電力設備、空調設備、給排水設備、保安設備などの運転・調整や管理です。1か月に1回程度は空気や排水の状態を確かめ、年に数回は空調機などの定期点検も行います。ホテルなど24時間動いているビルでは、交替制勤務になります。

資格(job tagの関連資格) 主な役割 求人での扱い方の例
電気主任技術者(第一種〜第三種) 電気設備の保安の監督 選任が必要な現場では必須、それ以外は歓迎
建築物環境衛生管理技術者 特定建築物の環境衛生の監督 統括する立場なら必須、担当者なら歓迎
ボイラー技士(特級・1級・2級) ボイラーの取扱い ボイラーがある現場では入社後に取得
ビル設備管理技能士(1級・2級) 設備管理の技能の証明 歓迎

延べ床面積が3,000平方メートル以上の事務所や店舗など(学校は8,000平方メートル以上)は「特定建築物」に当たります。特定建築物の所有者等は、建築物環境衛生管理技術者を選任しなければなりません。自社ビルや自社施設の管理者を採る場合は、この資格が必要かを最初に確認します。

一方でjob tagでは、入職にあたって特に学歴や資格は必要とされないと説明されています。資格は入社後に取る前提で採用し、取得の費用を会社が負担する形にすると、未経験者や異業種の経験者も応募しやすくなります。

応募を集める求人票の書き方(記入例)

設備管理の求人では、担当する建物と勤務形態の書き方で、応募の集まり方が変わります。( )内は自社の内容に置き換えてください。

項目 記入例
職種名 設備管理スタッフ(オフィスビル常駐/資格取得支援あり)
仕事内容 (建物の種類)の電気・空調・給排水設備の巡回点検、メーターの検針、不具合が起きたときの一次対応と業者の手配
担当する建物 (所在地)の(用途・規模)。常駐先は(1か所・複数)
勤務形態 日勤のみ、または当直を含む交替制(当直は月○回、仮眠○時間)
応募条件 未経験可。設備に関する資格があれば優遇(例:電気主任技術者、ボイラー技士)
資格取得の支援 受験料・講習費を会社が負担。合格後は資格手当(月○円)
変更の範囲 業務の変更の範囲:(会社の定める業務)。就業場所の変更の範囲:(会社の定める常駐先)

当直の回数や仮眠の時間、常駐先が変わる可能性を書かないと、入社後の早期退職につながります。2024年4月から、募集時に就業場所と業務の変更の範囲を明示する必要があります。常駐先が変わる働き方なら、その範囲を書きます。

設備管理の採用に向く候補者と経路

候補者 強み 求人で伝えたいこと
ビルメンテナンス会社の経験者 点検の流れや報告書に慣れている 担当する建物の規模、当直の有無
工場の保全・電気担当の経験者 設備の故障対応に強い 自社の設備の種類、夜間の呼び出しの有無
電気工事や空調工事の経験者 配線や機器の知識がある 体力面の負担の違い、資格手当
定年前後のシニア 前職で設備の経験を積んだ人がいる 勤務日数や時間の選び方
未経験の若手 長く育てられる 資格を取る順番と費用の負担

2021年4月から、70歳までの就業機会の確保が事業主の努力義務になっています。定年後も働きたい経験者に向けて、勤務日数や時間を選べる求人を用意すると、応募の幅が広がります。

経路は、地元の経験者やシニアにはハローワーク、若手や異業種の人には求人検索エンジンや求人サイトが向いています。媒体の料金は、Indeedの料金やengage(エンゲージ)の料金で解説しています。

選考で見るポイント

  1. 経験した設備と建物:受変電、空調、給排水、防災設備のどれを、どんな建物で扱ったかを聞きます。
  2. 資格と取得の意欲:資格の種類を確認し、ない場合は取得の順番を一緒に考えます。
  3. 記録と連絡の習慣:点検結果の記録や、異常を見つけたときの連絡の流れを聞きます。
  4. 勤務形態への納得:当直や休日の呼び出しに対応できるかを、具体的な回数で確認します。
  5. 利用者への対応:建物の利用者から直接声をかけられたときの対応を聞きます。

選考では、実際に勤務する建物や設備を見てもらう見学を入れると、仕事の具体像が伝わります。

採用代行の現場で分かっていること

中小企業が設備管理を採用するときによく起きるのは、前任者の退職が決まってから募集を始め、引き継ぎに間に合わないケースです。設備管理は建物ごとの癖を覚えるのに時間がかかります。引き継ぎの期間を見込んで、募集は早めに始めます。

もう1つは、応募条件に資格を並べすぎることです。電気主任技術者・ボイラー技士・建築物環境衛生管理技術者をすべて必須にすると、対象者はほとんどいなくなります。法令上の選任に必要な資格だけを必須にし、それ以外は「入社後に取得」と書き分けると、応募の母数を確保しやすくなります。

求人票は次の順に作ると、条件の書き漏れを防げます。夜間の勤務がある場合は、仮眠の時間と場所まで書くと、応募者の不安が減ります。

  1. 担当する建物と設備の一覧を作る
  2. 法令上必要な資格を確認する
  3. 当直や呼び出しの頻度を数字で書く
  4. 資格取得の支援内容を決める

よくある質問

設備管理の有効求人倍率はどのくらいですか

job tagによると、ビル施設管理の有効求人倍率は1.03倍です(令和7年度、ハローワーク求人統計)。同じ年度の電気工事士の3.84倍と比べると低めです。

資格がない未経験者でも採用できますか

できます。job tagでは、入職にあたって特に学歴や資格は必要とされないと説明されています。法令上の選任が必要な資格は今いる社員が担い、新しく入る人は入社後に資格を取る形にします。

シニアを採用するときに気をつけることは何ですか

勤務日数や時間、当直の有無を選べるようにすると、応募しやすくなります。2021年4月から、70歳までの就業機会の確保が事業主の努力義務になっています。

設備管理の採用を外部に任せられる範囲はどこまでですか

助っ人人事の場合は、面接以外の採用業務を代行します。求人原稿の作成、媒体の運用、応募者への連絡、日程調整などです。面接と建物の見学は自社で行います。

助っ人人事は月額15万円(税抜)から、面接以外の採用業務をすべて代行する月額定額制の採用代行サービスです。何名採用しても追加費用は0円、最短1週間で開始できます。

サービス内容と料金を見る 無料相談を申し込む

関連ページ

出典