結論:一般事務は応募が集まりやすい職種です。任せる業務と必要なスキルを具体的に書き、選考の基準を先に決めると、ミスマッチと選考の手間を減らせます。2026年8月の一般事務の有効求人倍率は0.29倍です。

一般事務の求人倍率と採用市場(2026年)

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」によると、一般事務従事者の有効求人倍率は0.29倍です。職業計の1.06倍を大きく下回ります。求人1件に対して、求職者が約3.4人いる計算です。

区分(2026年8月) 有効求人倍率 新規求人倍率 有効求人数 有効求職者数
一般事務従事者 0.29倍 0.64倍 119,803人 409,453人
職業計 1.06倍 1.98倍 2,028,673人 1,914,602人

いずれもパートタイムを含む常用の値です。前年同月と比べると、一般事務従事者の有効求人倍率は0.03ポイント下がりました。人手不足の職種が多いなかで、一般事務は求人より求職者が多い状態が続いています。

job tagで見る一般事務の働き方と賃金

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)には、一般事務について次の値が載っています。

項目 値 もとになる統計
就業者数 2,639,330人 令和2年国勢調査
平均年齢 44.6歳 令和7年賃金構造基本統計調査
賃金(年収) 541.4万円 令和7年賃金構造基本統計調査
1時間あたり賃金(短時間労働者) 1,490円 令和7年賃金構造基本統計調査
求人賃金(月額) 21.6万円 令和7年度ハローワーク求人統計データ
有効求人倍率 0.29倍 令和7年度ハローワーク求人統計データ

年収は在職している人全体の統計で、募集時に示す求人賃金とは性格が違います。自社の給与を決めるときは、同じ地域で出ている求人の月給と比べるのが現実的です。

応募が多くても採用がうまくいかない理由

倍率が低い職種でも、採用がうまくいかないことがあります。よくある原因は次の4つです。

  1. 仕事内容が「事務全般」になっている:経理や営業事務の経験者から未経験の人まで幅広く集まり、選ぶ基準が定まりません。
  2. 書類選考の基準がない:応募が多いほど判断に時間がかかり、連絡が遅れます。
  3. 入社後に仕事の中身がずれる:電話や来客の対応が多い、繁忙期に残業があるなど、聞いていた話と違うと早期の退職につながります。
  4. 連絡が遅く、他社に決まる:複数の会社に同時に応募する人もいます。応募が多いからと後回しにすると、選びたい人から先に抜けます。

募集の前に決めること:業務の棚卸し

一般事務の仕事は、会社によって中身が大きく違います。job tagでも、業務の内容は企業によって異なると説明されています。募集の前に、任せたい業務と1日の時間配分を書き出します。

業務(例) 1日の時間の目安(例) 必要なスキル
受発注データの入力 2時間 Excelの基本操作、販売管理システムの入力
請求書の作成と発送 1時間 数字の確認、締め日の管理
電話と来客の対応 1.5時間 敬語、取り次ぎ
営業資料の作成の補助 1時間 Word、PowerPoint
備品と郵便の管理 0.5時間 在庫の確認、発注

書き出すと、必須のスキルと、入社後に教えればよいスキルが分かれます。雇用形態も、このときに決めます。午前だけ、週3日だけで回る業務なら、パートでの募集も選択肢です。job tagでは、短時間労働者の1時間あたり賃金は1,490円です。

一般事務の求人票の書き方(例つき)

応募が多い職種ほど、求人票で「合う人」と「合わない人」を分けることが大切です。よくある書き方と、伝わる書き方を比べます。

項目 よくある書き方 伝わる書き方
職種名 一般事務 一般事務(受発注の入力・請求書の作成)
仕事内容 事務全般をお任せします 受発注データの入力、請求書の作成と発送、電話の一次対応。1日の件数の目安も書く
使うソフト パソコンが使える方 Excel(関数、並べ替え)、Word、販売管理システム(入社後に研修)
1日の流れ 記載なし 午前は受発注の入力、午後は請求書の作成と電話対応
働き方 残業少なめ 月の残業時間の平均と、忙しくなる時期
給与 経験により決定 月給の下限と上限、昇給の時期
変更の範囲 記載なし 業務:会社の定める業務/就業場所:本社(会社の定める場所)

2024年4月からは、募集の時点で「従事すべき業務の変更の範囲」と「就業の場所の変更の範囲」を明示する必要があります。有期契約で募集する場合は、更新の基準も明示します。書き方の全体像は求人票の書き方で解説しています。

一般事務の採用に向く採用経路

一般事務は応募が集まりやすいため、費用の小さい経路から始められます。料金の仕組みは各記事で、公式サイトの情報をもとにまとめています。

採用経路 特徴 向くケース
ハローワーク 求人を無料で申し込め、全国500カ所以上のハローワークとインターネットで公開される 地域で長く働く人を採りたい
求人検索エンジン(Indeed、求人ボックス、スタンバイ) 仕事を検索する人に求人が表示される 応募の数を増やしたい
採用管理サービス(engage、Airワーク採用管理) 求人ページの作成と応募者の管理を1か所で行う 応募の管理に手間がかかっている
総合転職サイト(doda、エン転職など) 料金の形は媒体ごとに違う 経験者を正社員で採りたい

パートで募集する場合の考え方は、パート・アルバイト採用のコツで紹介しています。

選考の進め方:書類選考とスキル確認

応募が多い職種では、選考の基準を募集の前に決めておきます。基準は「必須」と「歓迎」に分け、確かめ方も決めます。

区分 基準の例 確かめ方
必須 Excelで表の入力と簡単な関数を使った経験、勤務時間の条件が合う 書類と短い実技
歓迎 受発注や請求の業務経験、同じ業界での勤務経験 面接での質問
  1. 書類選考:必須の基準だけで判断し、迷う人は面接に進めます。
  2. 面接:最初に仕事の中身と1日の流れを説明してから、質問に入ります。
  3. 実技:Excelへの入力やメール文の作成など、実際の業務に近い作業を短時間で行います。
  4. 職場の見学:一緒に働く人と席の様子を見てもらい、ずれを減らします。
  5. 合否の連絡:決めた日数のうちに連絡します。
確かめたいこと 質問例
正確さ 入力や書類の作成で、間違いを防ぐために工夫していることはありますか。
優先順位 急ぎの依頼が重なったとき、どのように順番を決めましたか。
働き方の希望 電話や来客の対応が多い職場について、どう感じますか。

採用代行の現場で分かっていること

一般事務の採用でよく起きるのは、応募の多さに安心して、連絡や日程調整が後回しになるケースです。書類選考に時間がかかるほど、選びたい人が他社に決まります。応募から最初の連絡までの日数を先に決め、担当者が休みの日の対応も決めておきます。

次に多いのが、「事務全般」の求人で応募者の経験がばらばらになるケースです。経理事務や営業事務の経験者と未経験の人が混ざると、面接官ごとに評価がぶれます。業務の棚卸しをして職種名に主な業務を入れるだけで、応募者の層がそろいやすくなります。

面接では、仕事の良い面だけでなく、電話の多さや月末の忙しさも具体的に伝えます。短い実技を入れると、入社後に「思っていたよりExcelを使う」といったずれが起きにくくなります。採用の担当者がいない会社では、求人票の作成と応募者への連絡だけでも外部に任せると、選考が止まりにくくなります。

書類選考の基準は紙1枚にまとめ、面接官全員で共有します。基準に合わなかった応募者にも、結果を早めに丁寧に伝えます。応募者が、のちに自社の顧客や取引先になることもあるためです。

よくある質問

一般事務の求人倍率はどのくらいですか?

厚生労働省の一般職業紹介状況では、2026年8月の一般事務従事者の有効求人倍率は0.29倍です。職業計の1.06倍を大きく下回り、求人より求職者が多い職種です。

応募が多すぎて選考が追いつかないときはどうすればよいですか?

求人票に必須の条件を具体的に書き、書類選考の基準を募集の前に決めます。応募から最初の連絡までの日数も決めておくと、連絡の遅れを防げます。

未経験の人を一般事務で採用しても大丈夫ですか?

業務の手順書と教える担当者を用意できれば、未経験の人も採用できます。Excelなどの基本操作は、面接で短い実技を行うと確認できます。

一般事務の採用業務を外部に任せることはできますか?

面接以外の業務は採用代行に任せられます。助っ人人事は月額15万円(税抜)から、求人原稿の作成、媒体運用、候補者対応、日程調整などを代行します。

助っ人人事は月額15万円(税抜)から、面接以外の採用業務をすべて代行する月額定額制の採用代行サービスです。何名採用しても追加費用は0円、最短1週間で開始できます。

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